ガラスは個体なのに透明です。プラスチックやビニールなどの透明なものは他にもありますが、ガラスほど透明度が高く硬い個体は他にありません。
ガラスが透明な理由を突き詰めていくと原子や分子などとても難しい話になってきます。
分子レベルの話や化学反応の話を好きな方もいるかもしれないですが、当サイトでは小学生でも分かるような説明で簡単にガラスが透明な理由を解説します。
ガラスは液体に近い
ガラスは元々材料を熱して液体にしたものを固めて製造します。
一般的なガラスの材料はケイ砂、ソーダ灰、石灰石になります。
砂や灰、石の材料は個体であり、それを熱して液体にして形成し、最後は個体に戻す製造工程になりますが、実際に完成したガラスは液体に近い特性を持っています。
ガラスを透明にするには材料の問題もありますが、表面を綺麗に磨くことで光を通す透明なガラスになっていきます。
非結晶体
ガラスに限らず、プラスチックやアクリル、ビニール、サランラップなどの透明な素材は全て非結晶体です。
物には結晶体と非結晶体があります。
結晶体は分子が規則正しく並んでいて敷き詰められた状態です。
ミッチリ分子が埋まっているので光を綺麗に通しません。
非結晶体は分子がバラバラに配列されていて隙間だらけなので光を通すので透明に見せることが可能です。
あくまでも完全に透明ではなく透明に見えるだけというのがポイントです。
最高級の素材を使って磨きなど工程も入念に行えば限りなく透明に近づけることはできますが、多少は光を反射したり遮っています。
明るいところでは肉眼でガラスがあるかないかを判断できるもので、世の中に流通しているガラスのほとんどは、透明に見えるけど存在を確認できるものです。
ガラスは奇跡の素材とも呼べる存在
ガラスは科学的には大半のことは解明されましたが、一部では謎も残っている不思議な物体です。
ガラスの歴史を見ると、透明なガラスが開発されたのは13世紀ころです。
当時は既に教会でステンドグラスを使われるなどガラスは普及していて板ガラスを作る技術も5世紀頃にはありました。
ガラスを透明にするのに長い期間を費やしたにも関わらず、当時は原子や分子レベルでガラスは透明にできると科学的根拠の中で開発できたワケではありません。
悪い表現をすると、たまたまガラスを透明に作る技術を見つけて、後に分子レベルまで分析してメカニズムが解明されました。
まとめ
化学を好きな人から見ると否定されるような表現ですが、一般的な透明ガラスに使われるケイ酸塩は不純物が少なく結晶にすると透明にできます。
しかし材料だけの問題ではなく、ガラス製造の工程の中で原子、分子、結晶の難しい計算式で解明できる化学反応によって、分子の間が隙間だらけになって光を通すため透明になる仕組みです。